六代目柳家小さん襲名披露公演に行ってきました。初寄席。目当ては歌丸師匠です。見るたびに小さくなってゆく師匠ですので、これを逃すともう地元でお目にかかることは出来ないのでは、と一念発起。客層は圧倒的に年配の方が多く、おそらく私が最年少だったのでは。もちろん噺も面白く充実した公演でしたが、それ以上に、初めて生で見る噺家さんたちの美しい所作に見とれてしまいました。後になるほどベテランが出てくる構成になっていたのですが、最後の方になるといつ羽織を脱いだのか判らないほど、前口上から噺への移行が上手く鮮やか。そのほか、座布団をひっくり返す様子やすっとふすまをあける動作、歌丸師匠の噺の合間に実に綺麗にお茶をすする所作などなど。芸の道に生きる人間たるもの、体すべてがそのための道具なのだわ、とぽぉとしてみたり。