2月17日-3月2日

ボディ・アンド・ソウル
うーむ、なんと言えばいいのか。フルカワだ、としか。相変わらずの疾走感と存在感。
イルカ
よしもとばななの文章の何がきもちわるいかというと、全てを理解してるといいたげな全能感だ。だけど、それでも、心がへたってるとき、彼女の物語は優しい。強くて突き刺さるような現実を描いていても、とてつもなく優しい。
間宮兄弟
何年ぶりだろう江國香織。こんな文章だっけ。乾いて乾いてひりひりした。間宮兄弟と自身の相似点を見つけ出してはつらくなった。絶望的な読後感。ほのぼのしてはいるけれど、辛い。家族以外の誰かと幸せになれないのは辛いよ。だから、終盤に夕美が徹信に友情の抱擁をするシーン、あそこだけぽっと明るかった。
真夜中のマーチ
爽快犯罪小説。かっるい文章に上手く人間絡めて書くからただ面白く読めていいな。
ビッビ・ボッケンのふしぎ図書館
まだ書かれていない本がある場所、覗いてみたくはありませんか。ノルウェーで1993年の「図書年」に国内の六年生に無料配布された(!)という本書は、エキサイティングでカタルシスもあって素晴らしい児童文学。多少の説明くささは目を瞑れる範囲かと。
占星術殺人事件 (講談社ノベルス)
御手洗潔のデビュー作(ていうか島田荘司のか)。べらべらだらだらと話す探偵群に慣れてしまったのか、前半の石岡がひたすらしゃべる様が退屈でならなかった。二人の関係性は好きだが内容的にはちと無理がないか?(と思われるところは「昔の事件だから〜」という理由で流されるのがまただるい)。まぁすべてトリック一つ見破れなかった人間のたわごとですけども。あ、図書館で借りた本書、初版だったのだけど一箇所御手洗いが妙に低い声で言った。という誤植を発見、笑った。ごめん御手洗。