1月11日-2月1日

ぽろぽろドール
あーうまいな豊島。品がありながら危うい性を扱い上手い短編集に仕上げてきました。デビュー時のあれは無駄じゃなかったのね。表題作の甘酸っぱさ、せつなさは珠玉です。
つくもがみ貸します
この人設定が暗いよね。つくもがみの語りの嫌味っぽいのが苦手。古道具屋の二人もあまり立体的になるほどの描写じゃなくて。総じていまいちかなぁ。
三島由紀夫レター教室 (ちくま文庫)
これは面白い。軽妙洒脱な手紙小説です。三島ってこういうのも書いてたのか。
クドリャフカの順番―「十文字」事件
再読。あれ?思ってたより過去の登場人物でてこなかった。十文字かほさんはいかにも過去作にでてきてそうな書きぶりだけど本書が初登場なのな。読了二回目だけどやっぱり漫研の騒動は痛いし辛い。
本当はちがうんだ日記
再読。初読の印象がちらちらと視界を過ぎる読書だった。前回のようにのめりこんで共感できなかったのは再読だからなのか己の変化なのか判然としない。データが残ってたので初読時の感想を併記しておきます。確かに「ファンレター」は上手いと思う、今でも。
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穂村さんの劣等感エッセイ集。序盤は、なんでそんなに自信なさげなの?共感通り越して怖い、とか思ってるのにだんだんのめりこんでいってうんうん頷いてる自分が怖い。劣等感自慢とそれ以上のものの境目ははっきりしないけど収録されているエッセイの中には歴然とその差があると思う。「キムタク着用」は前者だし「ファンレター」は後者だ。(それにしても「ファンレター」は上手い)。
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もえない―Incombustibles
なーんか中途半端な。少年小説としても推理小説としても。