9月28日-10月19日

異邦人 (新潮文庫)
積読の山から。ちなみに所持してるのはもっと古い版(表紙に¥180と書かれている。安いなぁ)。

 太陽がまぶしかったから〜のくだりがあまりに有名でこういう話だとは全く思わなかった。まぁほとんど裁判の話。人が人を裁くのは難しいことだと思う。人非人と検察側から訴えられるムルソーはあまりに普通の男。でも裁判だけを傍聴すれば、やはり人非人だと思うかもしれない。処刑の日を前にして初めて世間の優しい無関心に心を開くくだりは救いこそあれ、けれどやはり皮肉。
猫丸先輩の空論 (講談社文庫)
この短篇集では「魚か肉か食い物」が好き。猫丸先輩はこれぐらいの立ち位置の方が物語的には読みやすい。

 猫丸先輩のキャラクタが実はそんなに好きではない。特に八木沢とのやりとりが苦手(なんか本当に意地悪そうで)。そしてこのシリーズにも食傷気味だ。だが読み続けてしまうのは「日曜の夜は出たくない」の衝撃を期待してしまうから。
妃は船を沈める
火村シリーズ最新刊。「猿の左手」「幕間」「残酷な揺り籠」の連作短編。いやーめちゃめちゃ良かった!相変わらず端正なミステリ、センチメンタルな書き口、魅惑的なキャラクタ。「残酷な〜」の最後の一文、ぞくっとしました。コマチ警官は今後も絡んでくるんでしょうね。今回の話限りだとすれば描かれすぎだし、そのわりにキャラが確立されていないから。
のぼうの城
オノ・ナツメの表紙に惹かれて。時代物って苦手なんだけど舞台設定だけで特に時代物って感じでもなかったので楽しめた。面白いし読ませるなと思ったけれど一味足りないような・・・。
底辺女子高生 (幻冬舎文庫)
豊島さんの高校時代エッセイ集。近すぎて痛い。距離的にも(同郷です)心情的にも。最初は過去の痛い話を仲間内に語る少女のように露悪的かつハイテンションなのに卒業式が近づくにつれ語り口がしんみりしてくるあたりにきゅんとした。
野球の国のアリス (ミステリーランド)
すっげ爽やかな話。読んでて気持ちよかったな!こどものためのミステリランドをあげるならイチオシでしょう。
Field,Wind
スポーツアンソロ。全体的に短くて軽め。「氷傑」がよかった。