1月17日-1月28日

初恋素描帖 (ダ・ヴィンチブックス)
甘酸っぱい!吉田美雪がたまらなくタイプです。こういう女の子に憧れていた。決して自分からは近づかない憧れ。
『源氏物語』の男たち―ミスター・ゲンジの生活と意見
源氏と夕霧の視点で源氏物語を読む、という本。女三の宮のくだりの老醜極まりない源氏をうまく捉えていて小気味よかった。
座敷ぼっこ (ふしぎ文学館)
短篇集。「佇むひと」目当てで。言論統制がなされる時代、政治批判者は道端に植えられた。というお話。人間が木になる話は何作か読んだ(長野まゆみ,皆川博子)。今まで読んだ作品はどれも耽美よりだったのだけどこれはばりばりのSFでホラーでリリカルだ。気持ち悪いのに切なくて苦しい。
 ほかには人工知能を持った車との別れを描いた「お紺昇天」、核戦争秒読みの世界から過去へと戻る「秒読み」、サルの玩具がもたらす悲劇「母子像」など。筒井さん面白いなぁ、大満足。
陰日向に咲く
今更ながら。噂にたがわず上手かった。テクニックもそうなんだけど味がある。ちょっとチープでキッチュな、若干へたうまな感じ。これがまぐれじゃないってことをぜひとも証明して欲しいんだけど、2009年現在、二作目は出版されていないみたいだ、残念。