空気人形(ネタバレあり)

主役の女の子かわいすぎるやろー!っていう不純な動機で鑑賞。ダッチワイフが心をもってしまうお話。物語の性質上ハッピーな展開は期待できないと思ってはいたが、胃の腑にくるラストで慄く。冒頭の、人の肌とビニールがこすれて鳴る音がいやに切なくていきなり困った。町の人たちのいろいろな人生が交錯してゆくのだけど、女の子の人形をめぐる一連のお話が主人公とシンクロしていてこれまた切ない。人魚姫に準えられた人形は寵愛を受けやがて声を失い最後にはきらきらした指輪と引き換えに主人公の腕の中へと捨てられる。持ち主の元彼女に準えられた主人公は世界のきらめきと汚さを知り愛する人を失う。そしてきらきらしたものに囲まれて死んでいくのだ、燃えないごみとして。