3月29日-4月11日

こどものころにみた夢
12編の夢の話。とにかく装丁が美しく、所有欲にかられる佇まい。法事へと出かける女性を描いた柴崎友香の「雲の下の街」がよかった。
卵と小麦粉それからマドレーヌ (おはなし飛行船)
中一の夏、母親が急にフランス留学をすると言い出した!というお話。主人公目線で話は進むのだけど、私は母親目線で話を追っていた。母親は子どもに対しても母親に対してももちろん夫に対しても誠実であろうとし、まっすぐに言葉を伝える。まぶしいなぁ。地の文の主人公のこまっしゃくれた文体も、友人二人のそれぞれの独立した様子も、とても感じが良い。あー、子どもの頃に読みたかったな。
本格ミステリの王国
いつものエッセイ集だと思ったらミステリ関係をまとめた本で、書くほうに興味のない私には少々つらい読書。有栖川さんの本格に対する愛情が深いことだけはよーく判りました。
にょにょっ記
第三弾「にょにょにょっ記」はあるのか。そこだけが気になる。内容はインパクト・質ともに前作に軍配。