7月16日-7月29日

エンジン・サマー (扶桑社ミステリー)
想像以上にSFしてて戸惑ったけれどボーイミーツガールの青春物として楽しく読んだ。ラストのせつなさよ!
MUSIC
少年少女おまけに猫、が主人公の群像劇。お得意の形式で(「サウンドトラック」を連想、それと「ベルカ〜」)気持ちよく読ませてくれました。主人公同士が相対する瞬間がなー、もうさいっこうにドキドキなんだな。随分張り切ってエンタメしてくれたな、という印象。
少女外道
昭和の名作の香りを残しつつ皆川さん流の耽美なエッセンスが効いている短編集。人体の一部に思いを託す、その描写に強く心惹かれる。「祝祭」の毬の芯に忍ばせた指が特に。
 余談。「隠り沼の」の沼描写が素晴らしくて胸きゅん。私のなかの沼描写不動の一位は長野まゆみの「夜啼く鳥は夢を見た」なのだけど、ひさびさにぐっときた沼描写。
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こーゆーの書かせたら最高ですよね古川さん。急いで読み終わってしまったのでそのうち再読予定。印象的だったのは「なに食べたって訊かれたらなに食べたって答えるつもり?」
スリープ
6年ぶりの書き下ろし長編ミステリ、とのこと。叙述トリック(ということはこの作者の場合明らかにしてもネタバレにはならないよね?)にころっと騙されたが「イニシエーション・ラブ」よりも違和を感じる箇所が少なく、その分ネタ明かし以降に視界が開ける感覚はない。ただ人物評が180度変わってしまう点には愕然!超いい人、純情好中年だと思っていたら頭の線が一本違ったロリコンって・・・。まぁ挿入してないからセーフ、なのか?