9月24日-10月6日

ふたりの距離の概算
古典部シリーズの最新刊。タイトルは(米澤さんにしては)甘めですが中身は今まで以上に辛口。進級して古典部の人間関係もちょっとずつ変化していっています。新入部員が入部を取りやめたのは何故か、という謎一本で長編を書ききるのはすごい。ただ、少し冗長ではありました。あとあの二人の関係はまったく進んでいないんですか?わたし気になります!
聖家族
本を手に取り一言、厚い。開いて一言、に、にだんぐみ・・・。分厚いことは聞き及んでいましたがここまでとは。
 あっちにとびこっちにとびそして収束はしない投げっぱなしの(あるいは現在進行形の)クロニクル。すんごいね。ただ、「アラビア〜」ほど興奮して読めなかったのは舞台が肌に合わなかったのか、暴力表現か。うーん。断片断片は面白いんだけど散漫な感じは否めない。面白かったのだけども疲弊しました。
ぼく、牧水! 歌人に学ぶ「まろび」の美学 (角川oneテーマ21)
堺さんと堺さんの恩師であり歌人の伊藤一彦さんの若山牧水についての対談集。堺さんが先生のことが好きすぎて尻尾ふってまとわりついているわんこみたい。可愛すぎるだろ!
 短歌は好きだけど若山牧水には一切ノータッチで生きてきたのでお話自体がすごく新鮮。日常の描写が光る歌人だそうで俄然興味が湧きました。あと紹介される手紙がどれもこれもふるっている。こんな手紙貰ったらしびれちゃうわー!というちょっと恥ずかしいぐらいにキメキメの名文。
「(前略)遠い遠い、行くのはいやですね、それでも碧玉のような日本海の浪の破片が目に浮かびます、ちらちら雪が降って寒くて凍えて身体中の声を張り上げて叫んで見たい、そしてばばもしない赤ん坊になって東京に帰りたいものです、命の汚れに耐えません」