1月6日-1月20日

結婚失格 (講談社文庫)
離婚エッセイ風小説。文庫冒頭に収録された短歌の連作を発表当時に読んだときは正直痛々しいなと感じたが、今読んでも充分痛々しいので、枡野さんの短歌は完成しているのだな、と。私が読みながらもやっと思っていたことをあまりにスパッと町山さんが解説でおっしゃるのでひやっとしてしまった。(擬音だらけの感想)。
連句遊戯
連句にあんなに細かいルールがあるのだと初めて知った。もっとフリーダムなものだとばかり。和田さんも笹さんも読み込む事象がSF風なので日常がパッと非日常に踏み込む句の連なりが余計に楽しかった。やりたいな連句
 余談。装丁に二の足をふみました。だって全面虫なんだもの。
スペース (創元推理文庫)
文庫化されたので再読しようとしていた積読の山から。相変わらずの丁寧なミステリ、乙女ちっくな恋愛小説、この二つがこんなにほわんとミックスされた小説が書けるのは加納さんだけじゃないかしら?もう一度「ななつのこ」から再読したい。
シェイクスピアの密使
このシリーズ、結構シリアス。まさかウィッジが劇作家を志すようになるとは思わなかったな。作中でウィッジがシェイクスピアさんの作品の続きを書いた「アテネのタイモン」が実在の作品(共作の可能性があるそうです)というのがいい。
人間喜劇 (ベスト版 文学のおくりもの)
一つ一つのエピソードが気が利いていて、それらがゆるやかにつながる。いちいち登場人物の云うことが感動的すぎる気はするが・・・。心が疲れているときには感じ入りすぎてなかなか読み進められないかも。マコーレイ家の心豊かな末弟・ユリシーズがいい味だしてます。