4月23日-7月13日

二ヶ月以上足が遠のいているうちに最寄図書館の棚の配置ががらりと変わっていた。が、相変わらず新鮮味はないのよね残念ながら。

アレグリアとは仕事はできない
以前読んだエッセイがよかったので小説も。二編収録。どちらも話のトーンは怒りで統一されているのだけど(だから読み進めるのには体力が要った)、表題作のオーソドックスながら確実にぐっとこさせるオチには参った。やられた。こんなことに涙する私じゃないのに、と主人公もきっと思ったと思いながら涙した。
PK
最近の伊坂作品はあとがきが一番人間くさいと思う。筆運びもキャラクタ造形も好みなんだけど、この胡散臭い題材。好みなんだけど、こう、もやもやっとする。「密使」が一番気楽に読めた。人と握手することで時間を少し盗む男の話。
緋色の研究 新訳シャーロック・ホームズ全集 (光文社文庫) - [isbn
9784334761783:title]:現代版にハマりにハマっているので当然の流れとして正典。当時の発表順に読んでいるので、えーと、「シャーロック・ホームズの事件簿」を除いた8冊を読了。今現在一番驚いたのはホームズに学生時代の親友がいたこと(!)。最初の長編2冊時には、あら伝え聞くより紳士じゃないの、という感じだったのが、巻を増すごとにホームズの言動が奇矯になりワトソンにべったりになっていくのが私気になります。ホームズさんの華麗な推理(凡人にはこじつけにしか聞こえない箇所多々あり)を拝聴しexcellent!と思える人向け。(私?よゆーです)。動機にはそうパターンがないし罪を憎んで人を憎まず展開も多いので、そういう部分にカタルシスを覚える方には退屈かも。
 余談。「緋色の研究」の第二部で殺人予告のカウントダウンがっていうくだり、なにこれ「魔術師」@江戸川乱歩じゃん!と思ったけど冷静に考えたら逆ね、乱歩の堂々たるパクり。そういえば明智小五郎のある種の空気のよめなさはホームズに通じるかもな。