12月下旬

煙か土か食い物 (講談社文庫)
エンターテイメント寄りの舞城の文を初めて読んだ。作者が「家族」を核に書き進めているなら純文寄りになっていくのは必然なのだと思う。という御託はさておき、おもしろい。特に父親のキャラクタが強烈でいい。あと作者は学歴コンプレックスでも持ってるの?というほどの高学歴兄弟。おもしろい。
LOVE or LIKE
目当てだった山本幸久の「ネコ・ノ・デコ」は起承転結のしっかりしたお手本みたいな小説。だけど作者の温かさがさっとふってあってとても素敵だ。中村航ハミングライフ中田永一「なみうちぎわ」もよかった。
世界は密室でできている。 (講談社文庫)
筆がすべりすぎの感もあるけどやっぱりおもしろい。「熊の場所」の題材をエンタメ寄りに味付けた話(そして奈津川サーガの番外編)。
謎は解ける方が魅力的 有栖川有栖エッセイ集
作者意外とぼやき性だなー。あとさすがにタイガースの章は読むのつらかった。しっかし03年のカープ阪神にほっとんど負けてんのな、吃驚だよ。
生協の白石さん
合間合間の白石さんの文章がいい。舐めるのは当店のチュッパチャップスだけにしてくださいよ。に爆笑。
無言劇 (創元クライム・クラブ)
そもそも作中のゲームのルールがわからないので魅力半減なのだろうけど、最後のオチを見ればとにかく脱力系なことだけは私にだってわかる。作中の探偵は最後の最後までダメダメだった、ちょっと期待してたのに。
熊の場所 (講談社文庫)
秀逸。特に表題作。