1月6日-1月19日

李歐 (講談社文庫)
惚れた!惚れました李歐。「黄金〜」と比べて格段と文章が上手くなっていて吃驚。特に李歐の描写は最高。なんたって李歐が出てくる場面は一面の桜色が浮かぶのだもの。一彰と一緒に李歐に恋焦がれ、再会をひたすら待ちわびた500ページ弱だった。
僕たちは歩かない
あら、わりとポップな。僕たちはだいたいみんなという書き出しは古川ワールドに入っていくための魔法の呪文で、それでいてなんて誠実な文章なんだろう、と思う。

会うまでの時間 自選歌集
五歌集からの選歌集。全部読んだはずなんだけど新しい発見があるのが短歌の素敵なところだな。以下、好きな歌をいくつか。
  • 散るという飛翔のかたち花びらはふと微笑んで枝を離れる
  • さみどりの葉をはがしゆくはつなつのキャベツのしんのしんまでひとり
  • 海鳴りに耳を澄ましているような水仙の花ひらくふるさと
  • 木もれ日をふと思わせる額にて樹下の少女と名づけておりぬ

絲的メイソウ
面白かった。が、ちと病的ではある、テンションが。
山猫理髪店―別役実童話集
「教科書に載っていた印象深い話」でしょっちゅう名のあがる「愛のサーカス」を初読み。・・・まぁオチまで知ってたから新鮮味には欠いたのだけど、確かにしんとしたいいお話だった。あとは復讐の愚を描いた「少年の死」がよかった。
気分は名探偵―犯人当てアンソロジー
六編中、犯人を当てられたのは0編でした。気分は迷探偵。あ、覆面座談会は全員正解したよ。
詩のこころを読む (岩波ジュニア新書)
「生命は」(吉野弘)「僕はまるでちがって」(黒田三郎)と素敵な出会いをしました。茨木さんの語り口がとても優しい。
パプリカ
すごいすごいすごい!女性蔑視をものともせず夢に立ち向かっていくパプリカに拍手。単純に娯楽小説として面白い。筒井さんの文章を読んだのは初めてなのだけど、素晴らしい出会いとなりました。
銀の匙 (角川文庫)
あたたかく品のある優しい幼年期の世界。終盤の叔母さんとのやりとりがとても好き。
好奇心は猫をも殺す (キャラ文庫)
再読。BL.衝撃のセクシャルラブ!!って帯には書かれてますが、まぁわりとオーソドックスな恋愛小説かと。初読のときは秋葉君と一緒に小松崎の不可解さにやきもきしましたが、今回は小松崎の不器用な愛情にきゅんとなったりならなかったり。
星くず少女の伝説 (講談社X文庫―ティーンズハート)
再読。なんてことない恋の話で正直なところ今回はぴんとこなかった。大好きな話だったのに。