11月24日-12月7日

女王国の城 (創元クライム・クラブ)
江神さんシリーズ四作目。これが出るって知ったので急いで既刊を読破したわけですが。やはり十年以上のブランクは大きかったらしく、作者自身が彼らのノリについていけてない感がありました。まぁ相変わらずリリカルなアリスでしたけども。意図的にでしょうが、ものすごくごちゃごちゃしているので、作中でアリスたちが何度も要点をまとめてくれているのに全然頭に入ってきませんでした。結果、とにかく犯人教えろよ、という感覚で読み進めてしまって反省。文庫化の折にはもっとクリアな頭で再読したいものです。あと意外だったことは(ネタバレかな?一応反転)犯人が死ななかったこと。このシリーズのお約束だと思ってたのだけど・・・。個人的にはあまり好きな展開でないし後味も悪いと感じていたのだけど、あれがあるのとないのでは作品の空気が違いますね。
短歌パラダイス―歌合二十四番勝負 (岩波新書)
ずぅっーと読んでみたくて、ついにネット経由で古本を購入。送料込で定価以上を払った価値はある新書でした。現代歌人たちの歌合を収録した本なんですが、いやはや熱い!歌合って結局は試合なので双方敵の足をひっぱる発言・味方を擁護する発言に終始するのだけど、それがいちいち的確。ていうか雑言の部類でも愛があって可愛らしい発言が多く、ちょっとにやにやしてしまいました。読んでいて思ったのは、芸術の鑑賞ってどれもそうだけど、特に短歌の観賞は自己との対話だな、と。
後宮小説 (新潮文庫)
雲のように風のように」のDVDをゲットレしたので原作を再読。地の文の一見真面目そうでその実すごく下世話だったりいい加減だったり野次馬だったりするふざけ具合がたまりません。何度読んでも面白いです、大好き。
ノーライフキング (新潮文庫)
なんとも云いがたい。切実さと痛々しさとすがすがしさと虚しさがある。読了後真っ先に思ったのは、この感覚は「moon」*1に似てる、だった。扉を開けて。ただ単にゲーム批判ではない、ゆえに苦々しい。あ〜、なんというか、なんというか・・・。