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桜が逝って22℃。
湿度は随分低いらしい。
まだまだ春の装いで、どうにも季節に急かされている。
通り抜ける風のかろやかさに春を感じる帰り道。
睛をつぶって散歩したらすぐに夏とぶつかりそうだ。
春なのに随分と暑い。この違和を昔も感じたはずだ、と昔の創作物を漁ってみた。↑ で、せっかくなので改作。↓
駆けぬける 桜が逝って22℃
桜逝き初夏の気温を過ごしけり まだ肌寒き20℃の昼
駆け抜ける季節きらめき汽笛鳴る桜が逝って今日は20℃
22℃だった 私は知っていた 北では桜が生きていること
もう夏が来ているけれど(22℃)まだ喪が明けぬ桜の並木
この詩を書いたときの、日差しのきらめきを、駅へ向かう地下道の冷たさを、季節が移り変わる驚きを、思い出していた。重たいブレザーを羽織ったまだ10代だったあの頃。桜は逝ったんじゃなくて装いを変えたのだと、あの重ったるい心は気づかなかったのだな。あの頃の痛みまで鮮やかに思い出したけれど、それでも、今の感情で昔を省みるとき、その鮮やかさは懐かしさを帯びて和らぐ。
華やぎを強さに変えて時は過ぐ 桜が逝って暑き今日の日