2月25日-3月10日

アンダスタンド・メイビー〈下〉
ワイドショー的な興味で上巻を読み終えて下巻に移った。上巻で傷を負った主人公は下巻でも痛みをさらに抱えて、それでも未来のために旅立つ。重い話だったが、救いがあった。終盤はやや駆け足だったな。学生時代から想い続けてきた男の子との性的接触が急に汚らわしくなるエピソードがすごく良かった。恋愛には神様はいないし、恋人は神様になれない、もちろん親も。神様って利害関係の環の外側で超然と佇んでいるのだと思う。
やさしいフォーカシング―自分でできるこころの処方
色々と迷っていたので、ネットで見かけたフォーカシングをかじってみた。とりあえず理論だけ。ちょこっとやってみたけれど、フェルトセンスがお話してくれるまで集中を保てなかった。いずれ、また。
醜聞の作法 (100周年書き下ろし)
養い子の意に添わない結婚を阻止するためにパリ中にゴシップをばら撒け!というお話。くるくると事情が変わっていき、どこまでがゴシップでどこまでが真実か、翻弄されながら爽やかなラスト。面白かった!ルフォンの強かさに乾杯。
妻の超然
久々の絲山作品。表題作は非常にキュート。「下戸の超然」はセックスを機に少しずつすれ違ってゆく描写が胸に刺さる。そしておまえという二人称が印象的な「作家の超然」。荒削り、そしてこの話がもっとも"超然"と感じた。